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 ■07年6月26日  もう、アゴなんて引かない。  (ブログ アーカイブス) ()

 
週末になると大リーグ中継を眺めるのが楽しみなのだが、その時いつも思うことがある。向こうの選手達は皆、選手紹介の顔写真の写りがいいのだ。
 キラキラ輝く白い歯。柔和で自然な笑顔。写りがいいというよりは、自分が一番感じ良く見える表情を知っている、という具合だろうか。それに比べると日本人はどうも写りが良くない。それは野球選手に限らず、日本人全体の傾向のように思える。
 その原因は何か。それついて、僕にはひとつの持論がある。そう、悪いのは日本全国津々浦々で呪文の様に唱えられている、あの言葉だ。
「アゴを引いてくださ〜い。」

 学校の修学旅行や、結婚式などでの全体写真。そこには必ず「全員がアゴを引くまでシャッター押さないぜ!」とでも言わんばかりのカメラマンがいる。
「はいみなさんアゴを引いてくださ〜い。じゃあ撮りますよ〜。あ〜!二列目の彼!もっとアゴ引いてもらえますか〜!」
 そして出来上がる写真は、まるで参加者を確認するためだけのカタログの様である。結婚式なんて現場はにこやかでハッピームードなのに、写真で見るとみんな仏頂面でなんと味気ないことか。運転免許の写真写りが悪いというのもよく言われるが、結局これも事務的にアゴ引き写真を強要しているのが原因のひとつと思われる。

 なんでアゴを引くことが日本の習慣になっているのかは知らないが、少なくとも僕は無意味だと思っている。(顔を小さく写そうと努力しているなら別だが)
 意識してやってみるとわかるが、背筋を伸ばしてアゴを引くというのは、かなり不自然な姿勢である。首に力が入るので、その影響で顔面がこわばる。カメラに向かって視線が上目遣いになるので、目元が暗くなり、目つきが悪く見える。さらにアゴ引きを『強要』されることにより、気分も楽しいわけがない。
 例えば写真を撮るとき、
「肩の力を抜いてください。少し眼をパッチリ開けて軽く微笑む感じができれば、いい写真ができますよ。」
 とか言われれば、おそらく全然違う写真になるはずである。職場でも写真入りのIDが多くなってきた昨今、少しでも感じのいい写真を撮られる方法を知っておくことは大事なことだと思うのだ。

 誰かの言いなりのままアゴを引くのはやめて、見た人の気持ちが柔らかくなるようなスマイルを身に着けようじゃないか。免許の写真が良くなれば、駐車違反をしてもおまわりさんが笑って許してくれるかもしれないし…。(ねえだろうな)

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